婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
彼女が驚いて振り向く。華やかな浴衣に羽織を着た彼女は、「ああ、桃代さん、こんばんは」とベンチの端に腰かけた。隣に座ってもかまわないという意味だろう。

「お風呂でのぼせちゃって。少し体を冷ましていたの」

そう言って缶のアセロラジュースを見せてくれる。

「私もお風呂上がりに飲もうと思って」

彼女の隣に腰かけながら購入したフルーツジュースを見せると「奇遇ね」と言って笑ってくれた。これまで彼女の怒った顔しか見たことがなかったから、ようやく穏やかな表情が見られて安心した。

「あなたも今日はここに泊まるのね」

「はい。懐石もご馳走になりました」

彼女は「そう」と短く相槌を打つ。私はハラハラしながらも本題を切り出した。

「私的には大満足のお料理だったんですが……篠原様はご満足いただけましたか?」

恐る恐る尋ねると、彼女は少し困った顔をしながらも、ふっと口もとを緩めて頷いた。

「いいお料理だったと思う。一緒に来た友人も満足していたわ」

「よかった……! そう言っていただけて、本当に安心いたしました」

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