婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
彼女の表情から怒りが消えたのは、華村のもてなしが心に響いたからだ。ようやくこの旅館のよさを伝えられたのが嬉しい。

「今日の分の料金は払うわ」

「いえ、これは女将の気持ちですので。謝罪として受け取ってください」

「それなら、前回の宿泊代を返金してもらう分、今日は支払う。いい浴衣を着せてもらったり、豪華なおやつをいただいたり、ずいぶん有料オプションを付けてくれていたみたいだから」

ジュースを口に運びながら今日を振り返る彼女。どうやら女将さんの気合いはしっかりと伝わっていたみたいだ。

「きちんとしたサービスには、まっとうな報酬を支払うべきよね。私だってサービス業をしている身だもの、フェアがいい」

篠原様のご職業は、確かリラクゼーションサロンの店長だったか。なるほど、ご自身もサービス業だから、華村の対応は余計に目についたのかもしれない。

「SNSの投稿も取り下げるわ。今日の分、精算しておくように女将によろしく伝えておいて」

「承知いたしました。ありがとうございます」

彼女は立ち上がると「もう少し体を冷ましてから戻るわ」と中庭の奥へ歩いていった。

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