婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
うしろからのんびりとした声をかけられる。ポケットに手を突っ込んだ彼が、穏やかな表情で私をじっと見つめていた。

もうコートもマフラーもつけていなくて、スマートなダークグレーのスーツがスタイリッシュだ。ここが都会のオフィスビルではなく、海辺というのが少々違和感だが。

「気持ちいいですね。スーツで海辺っていうのは、ちょっとおかしな感じがしますけど」

「潮風がな……ちゃんとクリーニングに出しておけよ」

「またまた、現実的なことを言う」

と言いつつもウォッシャブルの機能性スーツでよかったなんて安堵していると、彼が隣にやってきて大きく深呼吸した。

彼も少なからず潮風の心地よさを感じている様子だ。

「スーツじゃなくて、私服ならよかったのにな。そういや、あんたと私服で出かけたことはなかったっけ」

「そういえば、ないですね」

よくよく考えてみれば、プライベートの付き合いはない私たち。食事も仕事帰りくらいしか行ったことがない。

「あんた、普段はどんな服着るんだ?」

「え……社内勤務のときとそんなに変わりませんよ。少しカジュアルになる程度で」

「へえ」

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