婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「わ……信じられないくらい綺麗ですね」

ガラスと木材を組み合わせたアーティスティックな造りのオーベルジュ。そのすぐ裏手に、満開のソメイヨシノが並んでいる。

「客室からも桜がよく見えそう!」

「ああ。一階はレストランで、二階、三階の客室は花見の特等席だ」

エントランスに向かうと、中は落ち着く和モダン。壁面のガラスからたくさん差し込む太陽光と、柱や天井に使われた木材が温かい空間を作り出している。

案内された客室は三階。部屋の奥にテラスへ繋がる窓があって、そこからは満開の桜が見渡せた。

「こんな贅沢な客室、よく予約が取れましたね!?」

「伝手――というか、姉の夫の兄が経営してる宿なんだ。この一室は関係者限定の特別客室なんだけど、偶然キャンセルが出たっていうから都合をつけてもらった」

確かにこの見事な眺望は一般客向けに開放したら二、三年は予約待ち確実だろう。

「ここ以外の客室も景色が見事だから、くつろぎに掲載の打診をしたんだが、混雑されても困るからって断られた」

この宿ならわざわざ広告に力を入れなくても、懇意のお客様や口コミだけで充分繁盛する。掲載を断るのも納得だ。

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