婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
候補者と思しき社員は数名いるのだが、第一候補と噂されているのが目の間にいる彼だったりする。

「私になにか報告することはない?」

「ないな」

スンとした顔をする彼。隠しているというよりは、〝今ここであんたに説明する必要はないだろ〟なんて思っていそうだけど……。

「まあ、他人の昇進より自分のを楽しみにしてろよ」

意味深な振りで話題を逸らされてしまった。

私が昇進? 年度末にトラブルを起こして自分勝手に行動していた私が、このタイミングで昇進なんてありえないだろう。

「私は平社員でいいの。……あ、でもマネージャーが変わったらそれも通用しなくなっちゃうのか」

これまでは美作マネージャーが寛大な心で〝好きにやってごらん〟と背中を押してくれていたけれど、この先はどうなるのか?

不安に駆られ、顎に手を持っていってぶつぶつと唸っていると。

「ああ。どうなるだろうな」

彼は先を見通すような口ぶりで呟いて、楽しそうに目を細めた。




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