婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~

身も心も愛を誓い合った夜が明けて。青空の下、桜に見送られて私たちはホテルを出た。

「せっかくだから、寄り道して帰ろうか」

そんな提案を受けて、私はスマホで近辺の観光スポットを調べる。

「あ、ワイナリーがある。都内で栽培されたブドウを使ってるんだって」

「それ、美作さんへの当てつけか? 紬希って結構いい根性してるよな」

「そ、そんなんじゃないって!」

「仕方がないから、あの人へのお土産にしてやるか」

にやにやしながら言う彼。彼だってかなりいい性格している。美作マネージャーが素直に喜んでくれることを祈るしかない。

「昇進祝いだな」

「ああ、なるほど」

というのも、辞令は四月に発表されるが、大きな配置転換は三月中に内示される。

美作マネージャーの異動という名の昇進はすでに公になっていて、引き継ぎの準備がされているのだ。

後を継いで誰がマネージャーになるのか、その情報はまだ明らかにされていないのだけれど――。

私がじいっと世那を見つめていると、運転席の彼は前を見ながらも視線を感じたのか「なんだよ」と不満げに漏らした。

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