婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「もとはといえば君の提案じゃないか。まあ、この荷物を運んだあとなら同席してもかまわないよ。…………サボる口実になるし」

最後のは空耳だったと思いたい。

世那は「あそこで待ってますよ」と運よく空いていた小会議室のひとつを指差して、台車を押す美作さんを見送った。

私たちは一足先に会議室に向かう。ドアを閉めた瞬間、世那が美作さんへの愚痴をぶちまけた。

「あの人、残務を鬼のように隠し持ってやがった。絶対確信犯だ」

よくわからないが面倒な仕事を押し付けられてしまったらしい。私は「まあまあ」となだめながら椅子に座る。

「聖澤さんこそ、昇進おめでとうございます。引き継ぎの忙しい時期に、華村のトラブル対応を手伝ってくれていたんですね。ありがとうございます」

ふたりきりではあるものの一応会社ということで、敬語を使って労うと。

「あの件は、俺はダメ出し程度しかしてないだろ。頑張ったのはあんただ」

ふっと目もとを緩めて謙遜する彼。

「これはその成果のひとつだと思ってくれ」

会議室備え付けのPCにログインして、共有サーバーに移動すると、そこにあったのは『(案)特別顧客開拓プロジェクト』という名前のPDFファイルだった。プレゼンかなにかの資料だろうか?

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