婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
まだ空は爽やかな水色だけれど、そろそろ夕暮れの群青が混ざり込んでくるはずだ。もう少し経てば幻想的なマジックアワーに立ち会えるかもしれない。

「ようやく私服で来られたね」

以前ここに立ち寄ったときはスーツとパンプスで動きづらく、世那との関係も探り探りで、景色は晴れやかながらもいろんなことがまだ窮屈だった覚えがある。

相変わらず浜辺の風は気持ちいいが、前回よりいっそう晴れやかに感じられるのは――。

「あのときとは違うからな」

私たちは恋人同士で、未来のビジョンを共有している。

「営業で初めて紬希と鎌倉に来たときは、こうなるとは夢にも思わなかったけどな」

「あの頃の私は、最高のパートナーを見つけようと必死で」

「見つかってよかったじゃないか」

「自分で言うの?」

思わずくすくすと吹き出してしまう。確かに最高のパートナーには間違いないのだが。

「でも世那と出会えたのは努力じゃなくて、完全に成りゆきと運だったよ。相互評価システムの検証に抜擢されなかったら、ふたりでここに来なかったでしょ?」

「紬希の腹が鳴ってなかったら、天乃房にも連れていかなかっただろうしな」

「それは忘れて」

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