婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「あんたは交渉力があるし、下調べもできてる。本気を出せばもっと売上を立てられるはずだ。とっくに主任になっててもおかしくないだろ。そこまでの熱意と実力があって、どうして平社員なんだよ」

驚きからぽかんと口を開ける。もしかして、叱られているのではなく――。

「褒めてくれてます?」

一縷の望みをかけて尋ねてみると、スンとした顔をされてしまった。

「どこをどう聞いたらそうなるんだ。けなしてるんだよ」

……やっぱり塩対応だ。首を横に振って判断をあらためた。

「そこは美作マネージャーとちゃんと相談したんです。マイペースに売上を立てさせてもらう代わりに、昇進はお預けでかまわないって」

「昇進を自らお預けにするって、どういう神経してるんだよ」

とうとうあきらめを含んだ大きなため息を吐かれてしまった。

「もういい。あんた自身にその気がないのに、評価もアドバイスもあったもんじゃない」

しまいには匙を投げられる。

私は宿のみんなやお客様のために力を尽くしたいだけだ。理解してもらえず、ひっそりとむくれていると――。

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