婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「……このままでいきたいなら、少しでも利益を上げる方法を考えろ。プラン一件あたりの金額を上げたらどうだ。連日満室なんだろ? 二割上乗せしてもいいくらいだ」

ふと真面目な顔で聖澤さんが呟く。

それは……私の意志を尊重した上での現実的なアドバイス?

「ですが、安く楽しんでもらいたいっていう女将さんの要望なんです」

「なら金額に幅を持たせろ。あんた、この旅館を褒める割に過小評価してないか?」

思わずうっと唸り声をあげる。

プランの値上げには勇気がいる。価格に見合ったサービスでないと判断されれば、すぐにクレームが来て評判が下がり、数字となって表れる。慎重になるのは当然だ。でも――。

「あんたはこの宿にそれだけの価値があると踏んで営業をかけたんだろ。なにを弱気になって格安宿にしてんだよ」

彼の言う通りだった。この宿のポテンシャルを信じ切れていなかったのは私の方かもしれない。

「……わかりました。検討してみます」

しっかりとした口調で返事をすると、彼は静かに続けた。

< 29 / 236 >

この作品をシェア

pagetop