婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「この宿にこだわったところで大した売上は立たない。時間の無駄だ。それでもやろうって気概があるなら、もっと徹底的に練り上げろ。今のあんたは中途半端だ」

「……はい」

悔しいけれど、全部聖澤さんの言う通り。

私が自身の不甲斐なさをかみしめている間に、彼は宿とタブレットに交互に目線を滑らせ、チェック項目を入力していく。

「……ちょっと意外です。とっとと契約を切れって言われるかと思ったのに」

ぽつりとこぼすと、彼はタブレットに目線を落としたまま「それ、最初に言った」と冷たく言い放った。

「ですが、最後は認めてくれたみたいだったので」

「ポジティブ解釈すぎるだろ。あんたが聞く耳持たないから、せめて筋を通せって言っただけだ」

……やっぱり塩の聖澤だった。ちょっといい人かもって思ってしまった自分が間違っていた。

全評価が終わり、私たちは旅館の皆さんに挨拶を済ませて車に戻った。



「帰りは俺が運転する」

そう言って聖澤さんが運転席側に回る。

「私が運転しますよ。私の営業で来たんですし」

「道はだいたいわかったから問題ない。それより、あんたはこれを確認しておけ」

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