婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
なにより、自分より五つも年上で社会的にも人間的にも成熟した彼女と、対等に未来を歩んでいくビジョンが想像できなかったのだ。

彼女は常に前を歩いている。早く追いつきたいが、経験の差を日々実感する。

終わりのない追いかけっこをしているようで、いつしか恋愛感情の裏側で己の不甲斐なさをかみしめるようになった。

五年経っても十年経っても、俺はいつまでも年下の『世那くん』のままかもしれない。

いつしか対等に『世那』と呼ばれたい、呼んでもらえるような頼られる男になりたい――そう願ってはいたが、果たす前に関係はあっさりと終わりを迎えた。

今でも理想を実現しながら走り続けている彼女の背中を見ると、情けない自分が蘇ってきて、顔を歪めずにはいられない。

恋愛感情としての未練はない。ただ自分は不甲斐ない人間なのだという事実が、重しのように今も手足に絡みついている。



終業時刻になっても仕事が終わらなかったのは、らしくもなく過去を引きずっていたせいか。

二十時。あらかた仕事を終え、飲み終えたペットボトルを捨てに休憩スペースに立ち寄ると、遅れて桃代さんがやってきた。

「あー……っと、聖澤さん。お疲れ様ですー」

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