婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
彼女が慌てて手を腹部に持っていく。しかし、腹の虫は容赦なく〝くるるる〟と不満げな音を立てている。

みるみるうちに頬が赤く染まり、彼女は隠すかのように俯いたが、耳まで赤いのでバレバレである。

あまりにタイミングがよく、そしてリアクションがベタすぎて、思わず「ぷっ……くはっ」と笑いが込み上げてきた。

肩を震わせて身をよじる俺を見て、彼女が「いや、笑いすぎですって」と悔しそうに呻く。

「飴が必要なのは自分の方だろ」

彼女の手の中にある飴をひとつ拝借し包み紙を剥くと、丸いオレンジのそれを彼女の口に押し込んだ。

彼女はもごっと呻いたあと、頬をリスのように膨らませてこちらを睨み上げる。

「わ、私のお腹はもう飴玉一個で満足できる状態じゃないんでっ」

なにを開き直っているんだか。見ているだけで肩の力が抜けて口もとが緩んだ。

「じゃあ、とっとと食いに行くぞ」

言われてみれば俺も腹が減った。彼女と違って鳴らしたりはしないが。

「仕事、いつ終わる?」

「え、もうすぐ終わりますけど……」

「じゃあ、一階ロビーに集合」

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