ゆがむ、恋。

【転生編】第5話 「記憶の断片」

中学三年生になった春、2人は時折“記憶の夢”を見るようになった。

夢の中で、美咲は鍵を持っていた。
笑っていた。
泣いていた。
そして、良規の手を離した。

「ごめんね」
「また、いつか」
「絶対に、また会おうね」

それが約束だったことを、2人はようやく思い出してきた。

「私たち、前世で……一緒に、死んだのかな……?」
凛が呟くと、敬太はゆっくり頷いた
『そうかもしれない。でも今、また会えた。やっとやっと……。』
2人は見つめ合う。

何も語らずとも、魂が通じ合うような感覚。

そう。
これは「はじめての恋」じゃない。
ずっと前から続いていた恋の、続き。
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