気まぐれヒーロー
ハイジの言葉を真に受けちゃったお母さんに一気に責められるも、私はどこからツッコんでいいかわからず、弁解するのはまた後でにすることにした。
「ハイジはれっきとした日本人よ!!コイツの言うことは九割方ウソだから!!信じないで!!それより私も早く用意しないと遅刻しちゃうから!家の中に戻ろ!」
お母さんは「そうなの?スイス流のジョークだったの?」とか何とかボケた発言をしていたけど、めんどくさかったのでそこは受け流した。
お母さんの背中を押しながら、無理やり家の中へ連れていく。
「もも、あんま待たせんなよ。俺は待たされんのが大キライなんだからよ」
私も家に入ろうとしたのに、背後からかけられたハイジの言葉に振り向かざるをえなかった。
っていうかコイツ、なんでこんなに偉そうなの!?
「は!?待たなくていいよ、先行きなよ!」
「お前なぁ、何のために俺がわざわざここまで来てやったと思ってんだよ。この俺が、お前と一緒に学校に行ってやるって言ってんだよ。おわかり?」
な、何のために!?
私、なぜにハイジと一緒に登校しなくちゃいけないの!?どうして緑のヤンキーと……!!
「や、やだ!あんたと学校行くなんて、目立ちすぎる!私、あんたのファンダムからリンチ受けたくないもん!!」
「なんだファンダムって。いいから早く着替えてこい。そのくまさんパジャマから制服にな。あと顔もちゃんと洗えよ。目やについてんぞ。髪もボサボサだ、クシでとけよ。俺は身なりもちゃんとしねえ女と歩くのはイヤだ」
ハイジの呆れ返った声にハッとして自分の格好に目を向ければ、私は朝起きたまんまの姿だった。
超無防備な姿をヤツの前で晒してしまったことに嫌悪して突っ立っていると、「ほれ、遅刻したくねえんだろ優等生ちゃん」と家の中に押し込まれ、バタンとドアを閉められた。