転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
 この世界のことも知れた。未だにこの世界の人間ではないことや、転生者であることは話せないけれど、それが辛いと思えなくなったのは確かだった。

「ミサの力にもなれた。こうしてカイルも支えてくれている。何かあなたの力になれることがあるといいのだけれど……」
「十分、力をもらっています」
「私にはそう思えないから聞いているのよ?」
「では、一つだけ」
「何かしら」

 騎士が王女に求めるもの。まるでおとぎ話のようだわ。ちょうど今の私とカイルの体勢も似ている。椅子に座る王女に跪く騎士の姿が。

「ずっとお慕えしておりました。それを伝えたかったんです」
「えっ……」

 それって……告白?
< 140 / 211 >

この作品をシェア

pagetop