転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
 それでも死因を突き止めたかったのは、公務でお傍にいられなかった後悔からだろう。
 今回も同じだ。リュシアナ様が寝込んでおられても、お二人とも傍にいられなかった、その悔しさを、クラリーチェ王女にぶつけているようにしか見えなかった。

「陛下。ユーリウス殿下。おそれながら、そろそろリュシアナ様をベッドの方へ」
「お、おぉ。そうであったな。気の利く者を護衛騎士にしてよかった。だが、病み上がりのリュシアナを止められなかったのは、そなたの非だぞ」
「申し訳ございません」

 そう、俺がリュシアナ様の護衛騎士に任じられたのは、それが理由だった。騎士団長にさえ、臆せず意見をする生意気な騎士。無駄に群れず、貴族とのしがらみもなく、職務もそれなりに全うする。
 自分でも器用なのか不器用なのか分からない。しかしリュシアナ様に害する可能性が低いところを評価されたのだろう。
 今の陛下とユーリウス殿下を見ていると、それを強く感じた。

 そう、護衛対象が王女であっても、道理に合わなければ意見せよ、と。だからこれも、許されるだろう、と俺はさらに言葉を続けた。
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