転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「しかし戦争は回避され、死者も出ていないため、離宮のような場所に身を置く方がよろしいかと」
「そうだな。これまでと変わらぬ処置をしたのであれば、民たちも納得しないだろう。しかし民たちが容易に近づける場所では、何が起こるか分からぬ。それを考慮すると、そうだな」
お父様は一旦、間をおいた後、お姉様とエリーゼ様に向かって言い放った。
「クラリーチェ・アルフェリオン。オクタヴィア殺害、ならびにノルヴィア帝国との戦争を起こそうとした罪により、絶壁の古塔に幽閉する」
「古塔に? 嫌よ、そんな場所に私は……」
「クラリーチェ。大丈夫よ。私も一緒に行くから」
「それはダメだ」
「なぜですか!?」
エリーゼ様は悲痛の声を出していたが、私にはお父様の懸念が理解できた。
「此度のことを思い出せ。共にいたからこのような結果になったのだ。故に、エリーゼは王宮に残ることを命じる」
そう、いわばエリーゼ様は人質だった。お姉様がこれ以上、おかしな真似をしないことへの。それと同時に、エリーゼ様に対して蔑ろにはしない、というお父様の最大限の配慮だった。
けれどエリーゼ様本人にとっては、絶望なのだろう。お姉様に覆いかぶさり、親子二人の鳴き声が謁見の間に響いた。
「そうだな。これまでと変わらぬ処置をしたのであれば、民たちも納得しないだろう。しかし民たちが容易に近づける場所では、何が起こるか分からぬ。それを考慮すると、そうだな」
お父様は一旦、間をおいた後、お姉様とエリーゼ様に向かって言い放った。
「クラリーチェ・アルフェリオン。オクタヴィア殺害、ならびにノルヴィア帝国との戦争を起こそうとした罪により、絶壁の古塔に幽閉する」
「古塔に? 嫌よ、そんな場所に私は……」
「クラリーチェ。大丈夫よ。私も一緒に行くから」
「それはダメだ」
「なぜですか!?」
エリーゼ様は悲痛の声を出していたが、私にはお父様の懸念が理解できた。
「此度のことを思い出せ。共にいたからこのような結果になったのだ。故に、エリーゼは王宮に残ることを命じる」
そう、いわばエリーゼ様は人質だった。お姉様がこれ以上、おかしな真似をしないことへの。それと同時に、エリーゼ様に対して蔑ろにはしない、というお父様の最大限の配慮だった。
けれどエリーゼ様本人にとっては、絶望なのだろう。お姉様に覆いかぶさり、親子二人の鳴き声が謁見の間に響いた。