転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

第34話 王女として

「大丈夫ですか?」

 数カ月振りに王宮の自分の部屋へ戻ると、私はそのままベッドの上にダイブした。先ほどの緊張からようやく解放されたからか、柔らかいシーツに顔を埋めていると、カイルの戸惑う声が聞こえてきた。

 私は仰向けになり、隣を軽く叩いた。すると、戸惑いながらもベッドに腰かけるカイル。今はミサも、王宮に戻って来た近衛騎士団長と一緒にいる。

 だから躊躇うことなんてないのに。

「……本当は、お姉様にバシッというはずだったの」
「王妃様のことを、ですか?」
「戦争のことも、ね。でも言えなかった」

 お母様の死に一番悲しんでいたのはお父様だ。だから最後は、お父様に判決を任せた。それが間違っていたとは思わない。
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