転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
 カイルに助け舟を求めて視線を送ると、なぜかこちらからも熱のある視線を向けられた。ミサと同じ視線に、嫌な予感がした。

「俺も、微力ながらサポートしていきたいと思っています」
「あ、うん。それは凄く助かるわ。これからは部屋の外に、どんどん行きたいと思っていたところだから」
「やはり……リュシアナ様が、裏でこっそり活躍されていたことは知っていますので、大いに役に立てるかと」
「えっ……何それ、知らないんだけど」

 初めて聞く話に呆然としていると、「さすが姫様!」とミサからの感激の声に、私の呟きがかき消されてしまった。

 以前、カイルから記憶が戻ったのではないか、と聞かれたことがあったけど……思った以上に私とリュシアナは、似ているのかもしれなかった。

 で、でも! リュシアナの記憶はないんだからね! という私の心の叫びは、ミサとカイルには届かなかった。
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