音の放浪者
「えっと、じゃあまず座ろっか。円形の方がいいかな?」



彩世はそう言って椅子を移動させて円形を作り始めた。


私も椅子を動かすと男子2人組も手伝い始め、それぞれ自分で運んだ椅子に座った。



「じゃあ、先に自己紹介しようか。私から時計回りに行こう。」



そう言って彩世は自己紹介を始めた。



「A組の堺彩世です。よろしくお願いします!」



私も彩世に続いて自己紹介をした。



「A組瀬名風音です。よろしくお願いします。」



「C組の鳴滝律(なるたきりつ)です。よろしくね」



鳴滝くんはそう言って笑った。
金色の髪、緑色の瞳でいかにもチャラチャラしてる人、という感じだった。



「B組蓮城四輝(れんじょうしき)です。よろしく」



蓮城くんと名乗った彼は簡潔にそう言った。青色の瞳、腰まで伸びた真っ黒な髪は軽く結ばれていて、中性的な雰囲気を漂わせていた。



「えっと、じゃあ早速だけどバンドのパート決めをしよっか」



「ギター、ベース、ボーカル、ドラム、あとはバンドによってだけどキーボードもあるよね」



鳴滝くんは指を折りながら必要なパートを挙げた。



「ちなみにみんなって希望のパートある?」


「僕は何でもいいけど強いて言うならドラムかな。中学のときからやってるから。」


「俺はギターがいい」


「私もギターかな。風音は確かベースだよね?」


「うん、中学でコンバスやってたから。」


「あ、蓮城はツインギター嫌だったりする?」


「別に問題ない。」



ということで、私が思っていたよりもすんなりと楽器のパートが決まった。
鳴滝くんがドラム、蓮城くん、彩世がギター、私がベースと言った具合だ。


みんなの意見を聞くと、彩世は手をパチンと合わせながら口を開いた。



「うんうん、じゃああとは肝心のボーカルだね。出来ればこの中で1番歌が上手い人に任せたいんだけど……」


「それなら僕から提案があるんだけどいいかな?」



鳴滝くんはそう言ってひとつの提案をした。



「明日は休日だし、明日親睦会も兼ねてカラオケにみんなで行くのはどうかな?」



「いいんじゃない?私は明日暇だから全然大丈夫だけど皆はどう?」


「俺も賛成」


「私も大丈夫だよ」





こうして、明日バンドメンバーでカラオケに行くことが決まった。
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