愛を知った日
「これでも頑張ってるんです。」
「頑張ってるとしても嬉しいよ。」
「何言ってるんですか。」
「変か?」
「変ではないですけど恥ずかしいです。」
「ふふ。可愛いな。」
「なっ…わざとですか。」
「真剣だよ。でも恥ずかしくなってくれたなら作戦成功かな。」
「なんの作戦ですか?」
「秘密。」
「もう!おやすみなさい。」
そこまで打って片付けを終えたママに声をかけられた。
「顔真っ赤よ。大丈夫?体調悪いの?」
「ううん。大丈夫。」
その顔色を誤魔化すように顔に手を当てて部屋に戻った。
(もう!なんであんなことが恥ずかしげもなく言えるの!?それがモテるってことなのかもしれないけど…)
私は顔の火照りを冷ますために顔の前でパタパタと手を仰いだ。
やっと熱が治ってきたところでママからお風呂に入りなさいという呼び出しを受けたのでお風呂に入り、髪を乾かした。ちょうどすべて終わって出たところが碧がきた。
「ねぇね、今日はこの絵本読んで〜」
「いいよ。もう寝る?」
「うん。」
「奏、いつもごめんね。」
「ううん。大丈夫だよ。」
そして碧の部屋で読み聞かせをすると10分くらいで寝てしまった。碧は私と違って寝つきが良くすぐ寝る。
いつも通り布団をかけて部屋を出る。
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