愛を知った日
「碧、寝た?」
「うん。」
「いつもありがとう。」
「なんか飲む?」
「お水もらおうかな。」
「どーぞ。」
「ありがとう。」
「さて、我が娘よ。あのイケメンくんとはどこまで進んでるのかしら?もう付き合ってるの?」
それをママから聞いた時、飲んでいた水をぶーと噴き出した。
「なんでそんな事聞くの。付き合ってないよ。」
「なんだぁ。つまんな〜い。」
「ママって本当恋バナ好きだよね。」
「あら。みんな好きだと思うけど。」
「そうかもしれないけど娘の恋バナ、面白い?」
「娘の恋バナほど知りたいものはないわ。」
「とにかく付き合ってないから!」
そこまで言ってさっきのやり取りを思い出してしまった。
「あら?顔が赤くなってるわよ。」
「なんでもない!おやすみ!」
無理やり話を断ち切ろうとそう言って部屋に向かう。
「ふふ。おやすみ〜」
するとそこでお風呂から出てきたパパに出会した。
「あれ?もう寝るの?」
「うん。おやすみ!」
「おやすみ…」
勢いよく言ったのでパパはポカンとしていたがママから今の話も聞かされるかもしれない。
私の家族は良い意味でも悪い意味でもなんでも話す。それは私が幼い頃から今までずっと変わらない。そんなことを思いながらベッドに入った。
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