愛を知った日

「それなんだ？」
しばらく抱きしめ合った後、鳳蝶くんが指差して聞いた。
「あっ…これ…お弁当作って来たの。みんな手伝ってくれて重箱になっちゃって…重いよね。ごめんね。」
「いいや。嬉しいよ。実は俺も軽くつまめるもの作ってきたんだけど要らなかったな。」
「ううん。嬉しいよ。じゃあさお互いのお弁当食べ合おうよ。」
「いいな。」
私達は良さそうな芝居の上にレジャーシートを敷いて座る。お互いのお弁当箱を交換して開けると
「これ、朝から作ったのか？」
「うん。」
「大変だっただろ。」
「みんなも手伝ってくれて。鳳蝶くんのサンドウィッチも美味しそう。実は私のお弁当、おにぎりだけどサンドウィッチの方が好きなの。だから嬉しい。あっ鳳蝶くんはおにぎりで良かった？」
「そうだと思った。俺はなんでも食う。」
「良かった。」
鳳蝶くんが私のお弁当を頬張るのを見届けてから私もサンドウィッチを食べる。
「う〜ん！美味しい〜」
「この唐揚げも卵焼きもうまいしおにぎりも美味しい。」
「うふふ。ありがとう。」
「本当だぞ。」
「分かってる。鳳蝶くんは嘘つかないって。これも食べてみてよ。」
「これもうまい。」
お互い笑いながらたわいもない話をしながら食べた。