愛を知った日

「明美ちゃん、美味しかった。ありがとう。」
「私もお腹いっぱい。美味しかった〜アンケートも書いてクーポンもらえたしまた来よう。」
「奏、最近は体調いいの？」
「まぁまぁかな。すこぶるいい日はない。」
「そっか。でも動けてるなら良かった。今まで動けない時も多かったじゃん？」
「そうだね。私も嬉しい。」
カフェの帰りにゲームセンターで遊んだ。明美ちゃんが好きなキャラクターのクレーンゲームをして景品をゲットした明美ちゃんはとても喜んでいた。
「やった〜これ欲しかったんだよね。」
「良かったね。」
「そろそろ帰る？送って行こうか？」
「ううん。大丈夫。ありがとう。」
「ううん。じゃあ駅まで一緒に行こう。」
駅まで一緒に向かう。
「今日は楽しかった。ありがと。また女子デートしようね。」
「こちらこそありがとう。楽しかった。またね。」
手を振って別れて、家に到着すると家のポストに白い封筒が入っていることに気づいた。
その封筒には差し出し人の名前は書いていなかった。私はその場で封筒を開け、中身を見る。
そこにはこう書かれていた。
「お前が北山鳳蝶と付き合っているのは知っている。今すぐ別れろ。」
真っ白な紙にたったそれだけ。
私はいたずらだと思い、そのまま家に入るとゴミ箱にくしゃくしゃにして捨てた。
この時の私は幸せすぎて浮かれていたんだろう…これからなにが起こるかも知らずに…