愛を知った日

「それより休むことが最優先だ。」
「本当にごめん…」
「いいって。そんなに謝るな。」
「でも…会いたかった…」
「それは…俺も。じゃあ今から電話する？もちろん体調とか大丈夫だったらだけど。」
「うん。したい！」
それを見て奏の番号を押す。
プルル…プルル…
ちょうど2回目のコールで出た。
「もしもし。」
「もしもし。鳳蝶くん？」
「ああ。大丈夫なのか？」
「うん。夏祭り行けなくて本当にごめんね。」
「これ以上謝るならもう切るよ。」
「えっ待って！切らないで。謝らないから…」
「ふっ。ははは。」
「騙したの？」
「ごめんごめん。可愛いなぁ。」
「もう知らない！」
「ごめんって。あっあんまり話すと身体に障るな。」
「もうちょっと話したい…」
それから俺達は奏が疲れたから少し眠ると言うまで話していた。俺もバイトなどで忙しく直接は会えない日が続いたが連絡は毎日取っていた。
そうしてしばらく経ったある日。無性に話したくなってメッセージを送った。
「なにしてる？」
「今日は明美ちゃんとカフェに行ってきたんだ。美味しかったから今度鳳蝶くんとも行きたいな。」
そこに明美との写真が送られてきた。