愛を知った日
ファンクラブと伊月と明美くらいにしか話していないのにどこから漏れたのか。とっさに伊月を睨むと俺じゃないという顔をして首を小さく振る。誰なのか気になるが今はとりあえずこの場を切り抜けることが優先だ。それがたとえ本当のことを言う必要があるとしても。
「ねぇ本当なの?」
「それ誰に聞いた?」
「クラスメイトが言ってた。」
「そうか。」
「ねぇ本当なの?だから最近付き合い悪いの?」
「ああ。本当だよ。世界一好きな人ができた。だからもしなにか手出ししたら許さねぇ。」
「誰なの?」
「秘密だ。世界一かわいい彼女になにかあったら困るからそんなうかうか人には言わない。」
「くっ…なんでよ!鳳蝶はみんなのものだったじゃない。」
「それはお前が勝手に決めただけで俺はものじゃない。」
「絶対上手くなんていかないんだから!」
「それはどうかな。」
それだけ言って伊月とその場を離れる。追いかけて来る生徒にもクラスメイトにも聞かれた時には正直に答えた。1度漏れた以上もう隠すことはできない。それにいつまでも隠すことはできないと分かっていた。奏には相談できず申し訳ないが今言ってしまった方がいいと思った。
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