愛を知った日
私は電車に乗り鳳蝶くんの家の前まで来た。鍵は持っているがなんとなく気が引けてチャイムを鳴らした。
「は〜い。あっ奏、待ってた」
「大事な話があるの」
「とりあえず入って」
「お邪魔します」
鳳蝶くんは温かいお茶を淹れてくれて2人で座った。
「ここまで1人できたのか?体調悪いのに大丈夫か?」
「うん。心配してくれてありがとう」
私はひとまず落ち着くためにお茶を1口飲む。
「あっそうだ。本当はデートの時に渡そうと思ったんだけどこれプレゼント」
「なに?」
「月のネックレスで2人で満月になるやつ。お揃いの。奏、星好きだろ?だからさ蘭にもアドバイスもらって選んだんだ」
それを聞いた瞬間、頭の中でなにかが切れた。
「ちょっと待って。蘭ちゃん?」
「うん。俺センスねぇから一緒に選んでもらったんだ」
普段なら素直に喜ぶこともできたかもしれないが今はまったく嬉しくない。
「ごめん。鳳蝶くんこれは受け取りたくない」
「気に入らなかった?」
「ううん。そういうことじゃないの。ただ他の女、よりによって蘭ちゃんが選んだものを受け取りたくない。受け取るわけないでしょ!」
「私、見ちゃったの。鳳蝶くんと蘭ちゃんがキスしてるところ」
「えっ!?」
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