愛を知った日
正気に戻ったのは奏のやめてという言葉だった。奏が俺を引き剥がしその場を離れようとしているのを感じてなんとか引き止めたいと思った。今、引き止めなければこのまま距離ができて自然消滅してしまうような気がしたからだ。
俺は奏の腕を掴んだ。その瞬間、奏がフラフラと地面に倒れ込んだ。
「おい奏。おい!大丈夫か?奏!目開けろ!あっ救急車。救急車呼ぶから」
俺はすぐに救急車を呼んだ。番号を打つ時も指が震えて上手くできない。このまま死んでしまったらどうしよう。そんな恐怖に支配された。救急車を待つ間も時が永遠のように感じた。俺にできることはなにもない。無力だ。そう思いながら少しでも冷えてしまわないように奏の体をさすったり抱きしめたりして暖め続けた。
俺は奏の腕を掴んだ。その瞬間、奏がフラフラと地面に倒れ込んだ。
「おい奏。おい!大丈夫か?奏!目開けろ!あっ救急車。救急車呼ぶから」
俺はすぐに救急車を呼んだ。番号を打つ時も指が震えて上手くできない。このまま死んでしまったらどうしよう。そんな恐怖に支配された。救急車を待つ間も時が永遠のように感じた。俺にできることはなにもない。無力だ。そう思いながら少しでも冷えてしまわないように奏の体をさすったり抱きしめたりして暖め続けた。