愛を知った日
なんとかタメ口が話してほしいと伝えることができたがまだ緊張しているようで俺にも伊月にもずっと敬語だった。でも強制はできない。その日は電車に乗って行く奏を見送るだけで終わった。その後で連絡先を聞くのを忘れていたことに気がついた。その瞬間、後悔したがあの状態で聞いても知るのは難しかっただろうと思った。
「鳳蝶が女子気にかけるなんて珍しいね。」
「たまたまだよ。」
「そうかな〜?」
伊月にはばれていたようだが一応ごまかした。
「今度、あの子の学校行ってみる?」
「行かねぇよ。」
「いいの?」
「いいも何も通信なら毎日来ない可能性もあるだろ。」
「一応会いたい気持ちはあるみたいだね。」
「なっ…ねぇよ。」
「ふふ。鳳蝶にも春が来たね。」
「はっ?」
そんな話をしながらその日は帰った。
(3回会ったら運命って話聞いたことあるけどまた会えたらいいなぁ。)
そんなことを思いながら眠りについた。
次の日は休みだったため友達の誘いもあり駅前に行くことにした。
伊月達と合流しどこに行くか迷っていた時、見覚えのある人を見た。
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