愛を知った日
ミニシアターに向かうと生徒が作製した短編映画が公開されていた。監督も撮影も生徒らしい。教室にはちらほら人がいて映画を観ていた。
私達も椅子に座って観ていた。
「良かったね」
「うん」
(やっぱりツモ高じゃないよ…)
私は今日の文化祭を見てそう思った。月桃高校は勉強はできないけどイベントには全力だと聞いたことがある。
今日の文化祭はどのクラスも文化祭とは思えないほどレベルが高かった。
私達の高校は文化祭もないし行事がまったくない。部活もないし勉強はそれなりだけど生徒が一致団結することが少ない。私達の高校には私達の高校の良さがあるけどやはり普通の高校とは違うと感じた。
「やっぱり私達の高校とは全然違うね」
「明美ちゃんもこういう高校に通いたかった?」
「ううん。ウチは入るべくして今の高校に入ったんだと思うし入らなかったら奏とも出会えてないし後悔はないけどこういう高校生活もあったのかなって考えたら少し羨ましくなっただけ。隣の芝生は青く見えるってね」
「そっか。私も少し考えちゃった。病気がなかったらこうだったのかたって」
「でも私は明美ちゃんと出会えて良かったって思ってるよ」
「奏〜私もだよ!」
明美ちゃんがぎゅっと抱きついてきた。

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