愛を知った日
3人でご飯を食べた後、久しぶりにゆっくりテレビを観ることになった。3人共通で観たい映画がテレビで放送されるということでテレビの前のソファに座って観ていた。
すると程なくしてママが帰ってきた音がした。
「ただいま。」
「おかえり〜」
リビングへ続くドアを開けてママが入ってきた。
「意外と早かったね。」
「もう疲れたし観たい映画もあったから帰ってきたけどもう観てるわね。」
「ママもこれ観たかったの？」
「そうよ。このために今日頑張ったのに間に合わなかった…」
「大丈夫だよ。ママ。録画もしてあるから。先に着替えてきたら？」
「そうなの？さすがパパ。じゃあ着替えてくるわ。」
「行ってらしゃい。」
ママは着替えに向かった。
「録画なんてしてたの？」
「うん。一応ね。みんな観たかったんだからもし観れなかったら悲しいでしょ。」
「そうだね。やっぱりパパは優しいよ。」
「そんなことないよ。」
「パパは優しいわよ。」
その時、ラフな格好で部屋から出てきたママがソファに座った。
ママは喋り方も普段の服装もバリバリのキャリアウーマンでツンとしているように聞こえる時もあるのに素は男らしい。今もソファの上にあぐらをかいて髪をちょんまげに縛っている。


< 99 / 315 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop