俺の痛みに金を払え
交換日記
次の日そのまま
交換日記は渡さずにいた。

今日は野球が休みで水曜日
水曜日は学校が四時間で終わり
早く帰れる日だ!

こんな日は公園でみんなで野球するか
駄菓子屋に行き買い食いをするか
早く帰れる日をワクワクソワソワしていた。

授業が全て終わり
帰り際
ななちゃんが小声で家に来て欲しいと
言ってきた。

俺は日記の事も聞きたかったし
断る理由もなく
わかった!
の即答だった。

バタバタ家に帰り
ななちゃん家へ。

ななちゃんは神妙な顔で
口を窄めて俺に伝えた。

なな:まだ、誰にも言ってないんだけど
5年生の1学期迄で引越しするの
だから、交換日記を初めたんだ
思い出が欲しかったし
プロフィール帳より沢山の言葉があるから。
誰にも、引越しの事は言わないでね。

俺は引越しと言葉に絶望した。
離れ離れになるのが嫌だったから。
でも、素直になれないかっこつけた俺。

俺:引越すんだ、わかった
誰にも言わねぇよ!
日記も書くけど、何書いていいかわかんねぇんだよ

なな:ありがとう。なんでもいいのよ
私にいいたい事でもいいし
今日楽しかった事でもいいよ
きょうくんのかきたい事を書いて欲しいな

俺:書きたいことか。。。
ok
とりあえず今日から書いてみる
けど、書いたら、ななちゃんに渡したらいい?

なな:うん
渡して欲しいな。

俺:ok!
とりあえず浜屋いかん?

なな:いいよ
行こっか!
あ、まって。。

手を繋いできた。
ドキドキしたがずっと繋いでいたかった。
このまま時間が止まればなと
思う程だった。

2人で駄菓子を買い公園で食べた。
時間は刻々と過ぎていった。

ななちゃんを自宅に送り
引越すんだと思い
石を蹴りながら家に帰宅した。
その帰り道は、妙に寂しかったのを覚えている。
今迄、ななちゃんと遊んだ事や
会話
彼女の笑顔が断片的に今も鮮明に映し出す。

家に帰ると親父の友達がきていた。
普段なら俺はラッキーと思っていたが
その日は、自分の部屋にこもり
日記を書いた。

下の部屋から
母親が呼ぶ

母親:きょう、きょうくん

俺:なーに?

母親:おりてきなさい
村田のおいちゃん帰るのよ

俺:はーい

今日は村田のおいちゃんがきてたのか。。

村田のおいちゃんは
俺に沢山のお菓子と3千円くれた。

村田:きょう
今日はなんか元気ねーの?

俺:いや、野球で疲れた笑

村田:そうか。無理はダメぞ
きょうが好きなお菓子と
お小遣いな!

俺:いつもありがとう
おいちゃん。

村田:きょうは俺の子供みたいなもんや笑

親父:ほな、行こうか!

村田:おう!お邪魔しました。

親父:飲み行ってくるな!

母親:はーい、気をつけて

バタンっと扉がしまった。

俺はそのままお風呂に入り
転校について色々考えた。

考えれば考える程わからない。
とりあえず気晴らしにゲームをしようと
親父の部屋で二時間ほどゲームをし
眠くなったので部屋へ戻った。

そのままいつのまにか寝た。
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