俺の痛みに金を払え
6年
卒業式があり

俺はとしに中学で待ってるからなと言われ
6年を見送った。

中学は小学より奥にあり
自転車通学となる。
毎朝、自転車で通学する中学生見ていたから
俺は寂しくはなかった。

6年になり
田舎の小学校を満喫していた。
人数も少ないクラスだが
みんな仲がよかった。

5月になると学校行事
茶摘みがある。
学校の裏山に茶畑がある。

俺はじーちゃんの茶摘みを手伝った事があるが学校行事の茶摘みは楽しみだった!

茶摘み当日
昔話に出てくる肩に背負う籠を渡された

俺:こんなだせーのかるいたくねーな

直樹:まぁ、我慢我慢

茶摘みの新茶となる若葉は柔らかく色もテカリがある

学年対抗でどの学年が一番詰むか
競い合いだ。
全校生徒、全教師がこの日はヤル気に満ちていた!

俺はクラスメイト全員に

俺:絶対一番なろうや
やるからには本気でみんなやれよ

みんな:そうやな!みんな頑張ろ
と掛け声と共に
茶摘みがスタートした。

黙々と詰む

俺は手が痛くなり
途中飽きてきた

じーちゃんの茶摘みになれていたからだ
じーちゃんのは
大きなハサミに大きなアミがついている
一回の剪定でより多くの若葉が取れる。

俺:ハサミ使ってやりてぇな

直樹:みんな思っとるわ
けど茶摘みが終わればお茶会あるから
頑張ろうや

俺:何それ?

直樹:あ、お前初めてやけ知らんか
茶摘みが終わって焙煎した新茶を飲めるんよ
もちろんお菓子付きでな!

俺:まじか
学校でお菓子食えるとか最高やん

直樹:しかもな和菓子とポテチを沢山食えるんぞ

俺:最高!

俺の手は直樹の話とお菓子の魔力で加速して行った。

案の定六年が一位だった!
茶摘みと言う行事が終わり
どこか初夏を感じれる程
気温は上がっていた。

直樹:今日学校終わったら泳がん?

俺:いいね、みんな誘おうや

直樹と俺と一個下ののりゆき
健太郎、翔平は毎日学校でも遊んでいた
この四人を誘い
川へ泳ぎに行った!

川へ泳ぎに行くのは最高に気持ちいい
場所も沢山あり
一番人気は赤池と呼ばれる
自然の岩が作った飛び込みスポットがあり
毎年多くの人で賑わっていた。

俺は赤池しか行ったことがなく
直樹達は隠れスポットを知っていた。

そこは誰もいない
貸し切り状態の最高の場所だった!

俺:穴場やな
最高やん

直樹:やろうが
まぁあんま飛び込むとこないけどな

俺らはまだ5月の川に
身体を徐々に慣らして泳いだ!

ゴーグルしか使ったことない俺に
のりゆきが水中眼鏡を貸してくれた。

水中眼鏡はゴーグルとちがい
鮮明に川の中を綺麗に映し出してくれた。
俺は虜になり何回も川の中を除き
小魚や水草深い所を神秘的に見ていた。

段々と水中眼鏡が曇っていき

俺:これくもるんやけど
水いれて洗えばいいんかな?

直樹:これだから都会人はこまると

笑いながら

川からあがり
どこからか草を詰んできては
石の上で
草を石で叩いて草の汁で
水中眼鏡を洗ってくれた。

俺:なんその葉っぱ

直樹:よもぎよ!
これでくもらんけみてみ

たしかに何回も潜ってもくもらなかった

俺:すげーな
魔法の葉っぱやん

直樹:このくらい常識!
と笑いながら言った

俺達は川の中で沢山遊んだ

そろそろ帰るかと思って
川の中を歩いてると石のコケで足を滑らし
足を切った

俺:いってー
足を水中からあげると足のヒラから血が

みんな:大丈夫?

トントンとさっき聞いた覚えのある音がした

ふと直樹を見るとよもぎを潰してくれている

直樹:応急処置にはヨモギが一番や
すり潰したヨモギを切った足へと
塗ってくれた。

時間にして10分くらいで血は止まり
痛みは軽減した。

俺:直樹は色々知っててすげーな

直樹:アホか笑
先生が教えてくれるんぞ

俺:先生って本田が?

直樹:そうよ!俺らの学校はプールがないから体育の水泳も川よ

俺:は?プールあるやん

直樹:あれはもう使えんプールや
だから川で色んな薬草も先生が教えてくれるんや

のりゆき:そうで
きょうくん
だけヨモギの葉っぱは覚えてたほうがいいんよ

健太郎:ふふふ

翔平:腹減った
帰りおれんちでなんか食おうや

翔平の家は商店だった。

川から上がりみんなで翔平の家へいき
お菓子を食べながら
たわいもない会話をし
その日は別れた。

川で泳いだ後は
眠くなる。
扇風機をつけて昼寝をする時間が
小学生の俺には最高の至福の時間だった。
心地よい風
じーちゃんの家の振り子時計の音
ひぐらしのキリキリキリと鳴く声

この3セットのおかげて
すぐ意識は夢の中へといった。
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