俺の痛みに金を払え
クラスの中では女の子にモテた方だった。
その中でも4年前半には
こずえちゃんと言う家が近所の子と
よく小学校終わり遊んだもんだ。

俺の家は共働きだったので
学校終わりすぐランドセルを置いて
遊びに出る鍵っ子だった。

こずえちゃんの家でよくTVゲームをしていた。
彼女もゲーム好きで
こずえちゃんがクリア出来ない所を
俺がしてあげるというシステムだった。

こずえちゃんの家は建築会社の立派な家で
遊びに行く度、お菓子が沢山出て
そのお菓子をよく帰り際
彼女が小袋に詰めて渡してくれていた。

帰り道、自宅の先の電柱に赤いセドリックが
止まっていたら俺はちょっとだけ嬉しかった。

何故かって?

親父の友達が飲みに来てるからだ。
親父はよく自宅に色んな友人を招き
母親に手料理を作ってもらい
友人とヤクザ系のビデオを見ながら
酒を楽しそうに飲んでいた。

親父の友人が自宅に来ると
人それぞれお土産を持ってきてくれる。
お菓子の人。
ゲームの人。
お小遣いの人。

中でも、村田のおいちゃんが好きだった。
クリスマス、誕生日には毎回プレゼントをくれたり
家に来ても遊んでくれたからだ。

親父には沢山の友人がいた。
そして、自宅で2〜3時間酒を飲み
街に飲みに行く感じだった。

親父と友人が飲みに出た後が
本当の楽しみな時間だった。

母親と姉と近所のスーパーにアイスを買いに行き
親父の部屋に入ってこっそりTVゲームができるからだ。
至福な時間だった。
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