拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
それに、ロバートが恩義を感じているのはダイナー公爵であって、バナージではない。長く病床に伏しているダイナー公爵に万が一のことがあったら、彼はこのままここに留まり続けるだろうか。
遅効性の毒はゆっくりと回り、体を蝕んでゆく。
気づいたときにはもう、取り返しがつかないのだ。
◇ ◇ ◇
王都に滞在する最終日、フィーヌとホークは一緒に出掛けることにした。
王都には滅多に来ないので、せっかくなので町散策をしようと思ったのだ。フィーヌは長年通いなれた大通りを、ホークに案内する。
ふと、大通り沿いにある雑貨屋に置かれたハンカチが目に留まった。
「これ、可愛いですね」
フィーヌが手に取ったのは、様々なお花のワンポイント刺繍が入ったハンカチだった。ひまわりやバラ、パンジーもある。
「屋敷にいる使用人達にお土産に買ってきてもいいですか?」
「もちろん」
ホークが頷くと、フィーヌは十枚ハンカチを選ぶ。
「ずいぶんたくさん買うのだな」
「はい。皆がどの柄が好きかわからないので、全種類買おうと思います。余ったものはわたくしが使えばいいので」
フィーヌは笑顔で頷く。
遅効性の毒はゆっくりと回り、体を蝕んでゆく。
気づいたときにはもう、取り返しがつかないのだ。
◇ ◇ ◇
王都に滞在する最終日、フィーヌとホークは一緒に出掛けることにした。
王都には滅多に来ないので、せっかくなので町散策をしようと思ったのだ。フィーヌは長年通いなれた大通りを、ホークに案内する。
ふと、大通り沿いにある雑貨屋に置かれたハンカチが目に留まった。
「これ、可愛いですね」
フィーヌが手に取ったのは、様々なお花のワンポイント刺繍が入ったハンカチだった。ひまわりやバラ、パンジーもある。
「屋敷にいる使用人達にお土産に買ってきてもいいですか?」
「もちろん」
ホークが頷くと、フィーヌは十枚ハンカチを選ぶ。
「ずいぶんたくさん買うのだな」
「はい。皆がどの柄が好きかわからないので、全種類買おうと思います。余ったものはわたくしが使えばいいので」
フィーヌは笑顔で頷く。