拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
「フィーヌ。俺達の結婚は決して恋愛結婚ではなかった。出会いもいいものではなかったし、求婚も急だった。それに、結婚式すらしなかった。だから、もう一度やり直させてほしい。生涯をかけて幸せにすると誓う。俺と結婚してほしい」

 真摯な眼差しでまっすぐに見つめられ、息が止まるかと思った。
 
「……本当にわたくしでいいのですか? こんなに迷惑をおかけしたのに」
「俺が愛しているのはフィーヌだけだと言っただろう?」 

 ジーンとしたものが込み上げて、涙で視界が滲む。

「フィーヌ、返事は?」

 ホークが困ったように、問いかける。

「わたくしでよければ、喜んで」
「きみ以外、考えられない」

 ホークの凛々しい表情が崩れ、まるで少年のように嬉しそうに笑う。
 どちらからともなくキスを交わし、それは徐々に深いものに変わった。

「閣下……」
「フィーヌ。名前で呼んでくれ」
「ホーク様」

 フィーヌが呼びかけると、ホークは少年のように、嬉しそうに笑う。
 そんな一面にも、胸がきゅんとした。

「フィーヌ。きみとひとつになりたい」

 ホークはぎゅっとフィーヌを抱きしめる。

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