拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
(あどけなくて少しばかなところが可愛いと思っていたが、こいつと結婚したのは失敗だった)
もしもフィーヌと結婚していたら、彼女はあらゆる手段を使ってダイナー公爵家を建て直すために奔走してくれただろう。過ぎたことだが、後悔が押し寄せる。
「ドレスなんかより、前に頼んだ神恵の件はどうなったんだ? 農作物が不作になっている。レイナの緑の手の力を使えばなんとかなるはずなんだから、早く対応してくれ」
「そんなの無理よ。わたくしの神恵は『緑の手』だけど、鉢植えの植物の育ちが早くなるとか、バラ園の一画は虫を寄せ付けずに育てることができるとかだもの。あっ、屋敷の温室にあるお花は見た? とっても綺麗だったでしょう? わたくしの神恵で綺麗に育てているの」
レイナは朗らかに笑う。
(神恵を使って、温室の花? 誰に見せるわけでもない、ただの花にその力を使っているのか?)
期待外れもいいところだ。
バナージの中で、何かがプツンと切れる音がした。
「いい加減にしろ! 今、どういう状況なのか考えろ!」
もしもフィーヌと結婚していたら、彼女はあらゆる手段を使ってダイナー公爵家を建て直すために奔走してくれただろう。過ぎたことだが、後悔が押し寄せる。
「ドレスなんかより、前に頼んだ神恵の件はどうなったんだ? 農作物が不作になっている。レイナの緑の手の力を使えばなんとかなるはずなんだから、早く対応してくれ」
「そんなの無理よ。わたくしの神恵は『緑の手』だけど、鉢植えの植物の育ちが早くなるとか、バラ園の一画は虫を寄せ付けずに育てることができるとかだもの。あっ、屋敷の温室にあるお花は見た? とっても綺麗だったでしょう? わたくしの神恵で綺麗に育てているの」
レイナは朗らかに笑う。
(神恵を使って、温室の花? 誰に見せるわけでもない、ただの花にその力を使っているのか?)
期待外れもいいところだ。
バナージの中で、何かがプツンと切れる音がした。
「いい加減にしろ! 今、どういう状況なのか考えろ!」