拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
レイナがわざとらしく怯えた態度でバナージの腕に掴まった。
「ロサイダー卿。融資の件は白紙だ。本当に残念だよ」
「元より期待していない」
にやにやするバナージに対してホークは吐き捨てるように言うと、部屋を出て行った。
(融資? もしかして──)
フィーヌはハッとする。
軍の維持には多額の資金が必要になる。
特に、つい最近まで隣国からの侵略や魔物の対応に当たっていたロサイダー領では支出が膨らんでいるはず。領地に目ぼしい産業もないロサイダー辺境伯家の財政が厳しい状態であることは、想像に難くない。
(もしかしてバナージ様は、軍事費を融資するって言ってロサイダー卿を呼び出したの? 最低ね)
国を守るために命を張って戦っている彼らに対して、なんたる仕打ちなのかと怒りが込み上げる。
「さてと」
バナージはにやにやしながらフィーヌのほうを向く。
「フィーヌ・ショット! お前との婚約は破棄する」
バナージがバンと片手を前に出し、フィーヌに宣言する。
「……承知いたしました」
フィーヌは俯くとすうっと息を吸い、深呼吸して部屋を出て行った。そうしないと、この愚かな男に対して怒りが爆発してしまいそうだからだ。
「ロサイダー卿。融資の件は白紙だ。本当に残念だよ」
「元より期待していない」
にやにやするバナージに対してホークは吐き捨てるように言うと、部屋を出て行った。
(融資? もしかして──)
フィーヌはハッとする。
軍の維持には多額の資金が必要になる。
特に、つい最近まで隣国からの侵略や魔物の対応に当たっていたロサイダー領では支出が膨らんでいるはず。領地に目ぼしい産業もないロサイダー辺境伯家の財政が厳しい状態であることは、想像に難くない。
(もしかしてバナージ様は、軍事費を融資するって言ってロサイダー卿を呼び出したの? 最低ね)
国を守るために命を張って戦っている彼らに対して、なんたる仕打ちなのかと怒りが込み上げる。
「さてと」
バナージはにやにやしながらフィーヌのほうを向く。
「フィーヌ・ショット! お前との婚約は破棄する」
バナージがバンと片手を前に出し、フィーヌに宣言する。
「……承知いたしました」
フィーヌは俯くとすうっと息を吸い、深呼吸して部屋を出て行った。そうしないと、この愚かな男に対して怒りが爆発してしまいそうだからだ。