拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
「いえ。これ以外にもいくつか採掘されましたが、急いでお知らせするために手ごろな大きさのものをお持ちしました」
「俺が実際に見に行く。案内しろ」

 バナージは見つかったばかりの金鉱石を作業小屋のテーブルに置くと、小屋の外に出る。
 急な傾斜を登った先に竪穴が掘られており、多くの作業員が作業をしていた。

「本日の試掘で採掘されたのはこちらです」

 リベルテは竪穴の出口付近を指さす。そこには、大小さまざまなサイズの石が積まれていた。どの石もキラキラしたものが見えるので、金鉱石だろう。

「今日だけでこんなに採れたのか?」
「はい」
「やったぞ! よくやった!」

 バナージは興奮気味に叫ぶ。
  
(やはり、フィーヌの神恵は役に立った。あいつは利用価値がある)

 久しぶりの朗報に、気分が浮き立つ。

「ここに本格的な採掘所を建設する。すぐに手配に取り掛かれ」
「かしこまりました」

 リベルテは了承の意を込め、バナージに頭を下げた。

 
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