拝啓、元婚約者様 捨てた私のことはお構いなく
「カール。ロサイダー家の家訓はなんだ?」
「敵は徹底的に叩き潰せ。望むものは手段を選ばず奪い取れ。です」
「よく覚えているじゃないか。まずは、望むものを取りに行こうと思う。近く、ショット侯爵令嬢に求婚する」
「ええっ! 本気ですか?」
「もちろん、本気だ」
 
 ホークは口元に笑みを浮かべる。
 勝負に勝つにはまず戦略を練らねばならない。
 あとは駒を進めて、完膚なきまでに叩きのめすだけだ。


   ◇ ◇ ◇


 フィーヌとホークが立ち去ったあと、舞台となったダイナー公爵家の休憩室ではバナージとレイナが祝杯をあげていた。

「バナージ様、上手くいきましたね」
「ああ。俺が乗り込んできたときのふたりの驚いたような顔って言ったら、見ものだったぞ」

 バナージはワインをグラスの中でくるりと回し、一気に煽る。

「これでフィーヌとは晴れて婚約破棄だ。きみと一緒になれる。明日にでも、ショット侯爵に書簡を出そう」
「嬉しい!」

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