Mr.Phantom
「怪盗ファントムの目的は、あのダイヤモンドじゃない?」

アメが仮説を呟いた時だった。

「You did it(よくできました)」

この国の公用語ではない言葉が響く。アメが振り返ると、少し離れたところに黒いタキシードを着た男の姿があった。テレビで何度も見たことのある怪盗ファントムである。彼を目にした途端、アメは叫んでいた。

「ヨル!!」

怪盗ファントムにヨルが抱き上げられている。アメの言葉にヨルは反応しない。意識を失っているようだ。

「When did you come?(お前はいつ来た?)Where are you from?(どこから来た?)Who are you?(お前は誰だ?)What do you want?(何がほしい?)」

怪盗ファントムが話していた言葉と同じ言語でアメは話しかける。しかし、ヨルが捕えられていることに動揺し、わかっていることすら質問してしまう。怪盗ファントムは楽しそうに笑った。
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