Mr.Phantom
「さて、私は彼女を連れてもう行きます。全員モンマス公のダイヤモンドに気を取られていたので、ヨルさんを簡単に盗むことができました」

「待て！そいつを離せ！」

アメは地面を蹴って走り出す。怪盗ファントムはアメを交わすと窓の外へと飛び降りた。

「ヨル！！」

アメは窓から身を乗り出す。すると、怪盗ファントムがゆっくりと浮上するところだった。その背中には先ほどはついていなかったパラグライダーのような装置が付けられている。ヨルの意識はないままだ。

「では、ダイヤモンドを頂いて行きますね。探偵さん」

怪盗ファントムが飛んでいく。アメは「逃がすかよ」と空を優雅に飛ぶ男を睨み付ける。そして懐から拳銃を取り出し、構えた。

「お前がどんな手を使ってでも宝石を盗み出すというなら、俺も手段を選ばない人間なんでね」

特にヨルだけは盗られてはならない存在だとはっきりとわかった。目的を定める。アメは引き金を引いた。銃口から放たれた弾は怪盗ファントムが背中につけている飛行装置に当たった。
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