恋ひわずらふ帝~御簾の奥、ただ君を想う~
母のことなど、とうに忘れているくせに。
「それで、帝に顔を見られたと聞いた。」
突然の問いに、私は背筋を伸ばした。
「……はい。」
帝と目を合わせてしまったこと――まさか父の耳にも届いていたとは。
父は小さくため息をついた。
「実はな。中宮様より、お前を侍女に召したいとの申し出があった。」
「えっ……」
中宮様付き――それは、宮中でも限られた女房だけが許される栄誉。
私のような雑仕女には、決して縁のない世界のはずだった。
「だが、忘れるな。」
父の声が急に低くなった。
「どんなに器量が良くとも、帝に見初められるようなことがあってはならぬ。」
その言葉に、胸が冷えた。
「……なぜ、ですか。」
「帝は“高貴なる血”の姫を娶るもの。雑士女など、許されぬ。」
そう言いながらも、父の目は冷ややかだった。
「それで、帝に顔を見られたと聞いた。」
突然の問いに、私は背筋を伸ばした。
「……はい。」
帝と目を合わせてしまったこと――まさか父の耳にも届いていたとは。
父は小さくため息をついた。
「実はな。中宮様より、お前を侍女に召したいとの申し出があった。」
「えっ……」
中宮様付き――それは、宮中でも限られた女房だけが許される栄誉。
私のような雑仕女には、決して縁のない世界のはずだった。
「だが、忘れるな。」
父の声が急に低くなった。
「どんなに器量が良くとも、帝に見初められるようなことがあってはならぬ。」
その言葉に、胸が冷えた。
「……なぜ、ですか。」
「帝は“高貴なる血”の姫を娶るもの。雑士女など、許されぬ。」
そう言いながらも、父の目は冷ややかだった。