恋ひわずらふ帝~御簾の奥、ただ君を想う~
胸が跳ねる。
その瞬間、悟った。

帝は、私の心のすべてを綴った日記を読んでしまったのだ。

知られてしまった。

「会いたいか。」

帝は静かに歩み寄り、日記を私の脇へ置いた。

その瞳が、まっすぐ私だけを映している。

「……はい。お会いしとうございます。」

その答えに、帝の目がかすかに揺れる。

「朕が会わせてやろう。」

穏やかなのに、抗いがたい響きを持つ声だった。

私はふっと笑った。

「それは無理というものです。」
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