ほしうらない
優しい笑顔。
「正武さんも長女っぽいですね」
「わたしはねー、次女です。姉がいる」
あら、不正解。
「俺も長男。弟と妹がいる」
「私は長女ですけど、一人っ子です」
「みんなハズレだな」
ケラケラと有明さんが笑う。
「有明さんって長男ぽくないですね」
「ね、どうしたらこんな自由な長男が誕生するんだろう」
「そんなに自由か?」
一変、怪訝な顔。
「柵を知って……ましたね」
私が答えると、肩を竦めている。有明さんは立ち上がり、私の横を抜けて缶を濯いだ。
本社からお呼びがかかっているのに、頑なに首を縦に振らず支社に留まっている。