ほしうらない
駅で会ってへらへらと話しかけられたのに、少しもそんな事なんて出来なくて。
どうやって逃げてきたのかも覚えていないくらいの、去り際に。
「だめでした」
大丈夫かも、大丈夫かな、大丈夫だった。やっぱりだめだった。
そんなことの繰り返しで。
「籾野さんが殴らなくて良かった」
有明さんは静かに続けた。
「そしたら俺が呼び出されたの、東京駅じゃなくて警察署だったかもしれないしな」
「そうですねえ」
「だから良かった」
良くなんてない。全然、良くない。
それは私にもわかっていた。