推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜
この国には珍しい魔法を持つ貴族たちが複数いる。
花祭りには大量の花が必須なため、シューマノン子爵家は子爵でいられるのかもしれない。
花は木に囲まれているシューマノン子爵邸の和やかな昼下がり。
オレリアンと話したことすらなかったミシュリーヌに宛てて届く婚約を申し込む書類。
オレリアンからの説明はなく、ここにサインして提出すれば婚約者になるという。
乱暴にどこか歪んでいる文字を見つめながら、ミシュリーヌは何かおかしいと思っていた。
接点すらなく女性嫌いと知られる彼がこんなことをするなんて考えられない。
最初はいたずらかと思いきや、レダー侯爵家の家紋が刻まれた蝋封が押されているし、書類には印も押されている。
『このまま黙って婚約しろ』
言葉には書いていないが、かなりの圧力を放っている書類を見つめながらミシュリーヌはゴクリと喉を鳴らす。
しかしミシュリーヌたちには一つだけ心当たりがあった。
それはミシュリーヌの一つ下の妹、クロエについてのことだ。