婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「あなたが魔導具展に出たかったことは理解しています。学園の退学も不本意であることもわかっています。だからって、いつまでも部屋にこもっていたら、前に進めないでしょう!」
ヒルダは、エステルが頭からかぶっている掛布を引っ張った。
「あ、お母様! 何をするんですか」
着替えもせず、部屋にこもりっぱなしのエステルは薄着である。だから掛布を奪われたら、寒い。
「お母様。寒いです。返してください」
「寒いなら、着替えればいいでしょう。あなたたち、エステルの着替えを手伝ってちょうだい」
両手を腰に当て、獣のような険しい形相で睨みつけるヒルダは、そこから動くつもりはないようで、エステルの着替えが終わるまでそうしているのだろう。
ヒルダが本気で怒れば怖い。今はまだ序の口だ。
仕方なくエステルは、重い身体を引きずりながらベッドから下りた。
「お嬢様、お召し物はこちらでよろしいでしょうか?」
侍女がドレスを手にして確認してくるが「なんでもいいわ……」としか答えられない。
ヒルダは、エステルが頭からかぶっている掛布を引っ張った。
「あ、お母様! 何をするんですか」
着替えもせず、部屋にこもりっぱなしのエステルは薄着である。だから掛布を奪われたら、寒い。
「お母様。寒いです。返してください」
「寒いなら、着替えればいいでしょう。あなたたち、エステルの着替えを手伝ってちょうだい」
両手を腰に当て、獣のような険しい形相で睨みつけるヒルダは、そこから動くつもりはないようで、エステルの着替えが終わるまでそうしているのだろう。
ヒルダが本気で怒れば怖い。今はまだ序の口だ。
仕方なくエステルは、重い身体を引きずりながらベッドから下りた。
「お嬢様、お召し物はこちらでよろしいでしょうか?」
侍女がドレスを手にして確認してくるが「なんでもいいわ……」としか答えられない。