婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「あ、そうですね」
 エステルは皮の手袋をセリオに手渡し、油と布も用意した。
「こうやってここに油をつけて……この部分、ここが稼働部になりますので、ここに油を塗ってください。あと三台ありますので、セリオさんに手伝ってもらえると助かります」
「わかった」
 セリオはエステルの話を聞きつつ、見よう見まねで魔導具の手入れを始めた。
「エステルは、魔導具を大事にしているんだな」
 作業に慣れてきたとき、セリオがぽつんと言った。
「そうですね。私、やっぱり魔導具が好きなので……」
「魔導具が好き……魔導具にどんな魅力があるんだ?」
 それはセリオも魔導具に興味があるから、聞いてくれているのだろうか。
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